2020年までに女性管理職の数を全体の3割に

現在政府が目玉政策として推進していることの一つに「女性の社会進出」があります。
日本は世界第3位の経済大国となってはいますが、その半面で女性の社会進出率は先進国で第57位と最低水準レベルとなっています。

この順位は調査が開始されて以来ほとんど上昇傾向が見られず、諸外国で男女の賃金格差や就業率が縮まってきているのに対し一向に変化が起こる気配がありません。

そこで政府はこの状況を改善するために、女性の管理職の割合を増やすための数々の政策を展開しています。
日本において男女の賃金格差が激しい理由の一つが管理職となる女性の割合が非常に低いことです。

しかしながら単純に管理職に女性を多く登用するようにすればよいというわけではなく、その背景となっている長時間労働の蔓延や家庭内における家事・育児分担の偏り、人事評価制度における評価基準などといったところから改善をしていかなければ根本的な解決をしていくことはできません。

ですので2020年までという短い期間内に女性管理職の割合を増やすということを実現するためには、政府の政策だけでなく私達一人ひとりがしっかりと意識的に業務の改善を目指していかなければいけません。

これまでの管理職の概念にとらわれない

女性の管理職就任の難しさを表現する言葉として米国から入ってきたものとして「ガラスの天井(Glass ceiling)」というものがあります。

これは一般職として入ってきた時には男女の格差はなかったのに、昇進をする年代になった時にはあからさまに男女の格差がついてしまい女性にとっては見えない壁があってその先に行くことができないということを示すものです。

この言葉が有名になったのは80年代くらいなので今ではちょっと古めかしいイメージがありますが、依然として古い体質の企業では同じ条件の社員がいた場合に男性を優先的に昇進させるという体質は残されています。

一方でこの「ガラスの天井」の正体は何も物分りの悪い上司や経営者のせいではなく、昇進のチャンスを迎えた女性自身が創りだしているものだという意見もあります。

日本における管理職のイメージは、「長時間働いても残業代が出ない」「経営者と従業員の板挟みになる」「自分の仕事ができなくなる」といったようなマイナス面が強いことも関係しています。

本来的には管理職というのは一般職と異なり、人員をマネジメントする役割を担うものです。
日本において管理職がよくないイメージで語られるのは、それまでの年功序列制度では「出世のための段階的ステップ」であったため、本来的には自分が責任を取るべき立場になるはずなのに失敗を恐れて責任をとらない管理職が増えてしまったからでしょう。

しかし管理職の役割はその部署で勤務をする人間の役割を調整し、業務の偏りをなくしや品質の維持をしていくことです。
そうした細やかな気遣いや気付きが求められる仕事は、女性に適正があることもよくあります。

女性の管理職を増やすためにはまず女性自身が管理職という仕事の概念を壊して自分なりの仕事ができるようにしていくことが必要と言えます。

多様な価値観を生かした業務

とはいえ上司と部下の関係というのは職場における永遠のテーマとなっているように、男性女性かかわらず「よい上司」になるのは非常に難しいものです。

男性上司だからよい、女性上司だから悪いというような決め付けではなく、個々人としてどういった仕事をしていくかという能力そのものが今後は問われることになっていくでしょう。

女性が上司になる大きな強みは、自分自身や同じ女性の家族として出産や育児、介護といったことを経験することができるという点です。

最近は家事や育児、介護に積極的に参加する男性も増えてはきていますが、やはり「男は仕事をして一人前」という考えは依然として残っており仕事以外の価値観が広がらないタイプの管理職はたくさんいます。

そこで仕事だけでなく家庭や社会生活について広い視点を持った女性が管理職となることで、幅広く世の中のニーズをつかみ従業員の抱える問題を把握することがしやすくなります。

女性だからというこだわりなく誰でも自分の能力に応じた働きができるように、今この過渡期をどう働いていくかということが一人ひとりに問われています。